「2019セイジ・オザワ松本フェスティバル」が17日、開幕した。同音楽祭の総監督を務める指揮者の小澤征爾が記者団の取材に応じた。小澤総監督の松本入りは2年ぶりとなる。
小澤は開口一番「やっと来られて嬉しいです。松本で永年借りている家に戻れるのも楽しみ。松本は自分の居場所みたいなもの」と話し、「僕、指揮したいですよ!指揮したい!指揮させてください。もちろん助けは必要だけど」と今後の指揮活動にも意欲をみせた。
総監督として次世代の音楽家たちに音楽祭を任せている現状については「今回オペラ《エフゲニー・オネーギン》を指揮するファビオ・ルイージは、ほんとうにすばらしい」と評価、「サイトウ・キネンのオケのメンバーはみな指揮者に対してうるさく厳しい。でも、ファビオのことはみな大好き。僕にとってもそれは凄く嬉しいこと。もっとやってほしい」との期待感を示した。
左から)菅谷昭(松本市長、セイジ・オザワ松本フェスティバル実行委員会名誉副会長)、小澤征爾、堀伝(サイトウ・キネン財団理事長) 18日には小澤征爾スイス国際アカデミーのメンバーが「ふれあいコンサートI」に出演する。
「このあと練習するんですけど、僕にとっては宝ですね。僕も勉強になる、教えてると勉強になる」という小澤。弦楽合奏でとりあげる、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調作品135についての思いを次のように語った。
「ベートーヴェンが生涯最後に書いた作品ということで意味があるのと、音楽のすべてがそこに入っている。あれだけ交響曲もたくさん書いて、コンチェルトも書き、大曲も書いた作曲家が、最後に四重奏曲を書いた。そこに意味がある」
2019セイジ・オザワ松本フェスティバルは9月7日まで開催される。